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2005年3月6日
「上の山遺跡現地説明会」
上の山遺跡発掘調査 (財)大阪府文化財センター
2005年3月6日(日)、午後1時より上の山遺跡の現地説明会が行われた。 大阪府文化財センターでは、交野市域から寝屋川市域にかけて<緑立つ道>・第二京阪道路予定地内の埋蔵文化財発掘調査を実施しており、昨年に引き続き遺跡の説明、出土品の展示が行われ数百人を超す熱心な考古ファンで埋まった。 2004年5月の上の山遺跡の現地説明会の様子はこちらへ 日時:平成17年3月6日(日) 午後1時から午後3時まで 場所:上の山遺跡 枚方市茄子作南町、交野市私部西5丁目先 JR学研都市線 星田駅下車北東に徒歩25分 京阪電車交野線 交野市駅下車西に徒歩10分 問合せ先 (財)大阪府文化財センター 交野分室 072-895-1200 (枚方市茄子作南町、交野市私部西5丁目所在) 上の山遺跡(交野市私部西5丁目地先・枚方市茄子作南町地先)の発掘調査は、第二京阪道路(大阪北道路)の建設に伴い、国土交通省・日本道路公団の委託を受け、大阪府教育委員会の指導のもと、平成15年度から行っています。 本遺跡は、天野川の西側にあたり、枚方丘陵から天野川に沿ってほぼ南北方向に細長く伸びる中位段丘(東西幅約100m)と、東西両側の谷に立地しており、これまでの調査で、旧石器時代から中世までの遺構や遺物が見つかっています。 今回の調査では、弥生時代中期前半(今から約2,200年前)の独立棟持柱(どくりつむなもちばしら)をもつ大型掘立柱建物を1棟検出しました。建物は、遺跡が立地する段丘の最頂部(標高29.2m)にあたり、見晴らしがよく、周囲を一望できる高所に建てられています。 建物の規模は、1間(4.45〜4.60m)×5間(8.60m)です。建物の柱穴(柱を立てるために掘られた穴)は、楕円形もしくは隅丸長方形で、建物の外側から内側に向かって斜めに掘られており、柱を滑り込ませて立てたものと考えられます。側柱(がわばしら)の柱穴の深さは約0.3mですが、棟持柱の柱穴の深さは約0.9mもあります。 独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物が、一般的な掘立柱建物や大型掘立柱建物と違う点は、建物の妻部(つまぶ)から離れた位置にある棟持柱で、大きく張り出した屋根を支えることです。このような建物構造や当時一般的には竪穴住居に住んでいたことなどから、独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物は、特殊な建物として、「祭殿」「集会所」などであったとする意見もあります。 上の山遺跡の大型掘立柱建物は、ながめのよい場所に立地すること、独立棟持柱が建物の妻部から大きく離れた位置にあり、柱穴が大きくて深いことなどから、かなり高くて、立派な屋根構造を持つ、シンボリックな建物であったと考えられます。 参考:上の山遺跡現地公開資料 財団法人 大阪府文化財センター |
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2005.3.2 朝日新聞朝刊記事参照 神殿か 大型建物跡発見 大阪上の山遺跡「池上曽根」に類似 大阪府交野市と枚方市の市境に広がる上の山遺跡で、弥生時代中期前半(紀元前2世紀初め)の大型建物跡が見つかった。大阪府文化財センターが1日、発表した。同府の池上曽根遺跡で見つかり、復元された「神殿」とされる建物より小さいが構造はそっくりで、同様の大型建物では最古級になるという。 建物跡は標高約29mの丘の上にあった。長さ約8.6m、幅約4.5mで、両端に大きく張り出した屋根を支える為の「独立棟持柱」の跡が見つかった。独立棟持柱のある大型建物は、集落の中心地で一般の住居とは離れて見つかることから、神殿や首長の居宅などの特別な建物とみられる。 近畿地方で多く発見され、最も古いのは唐古・鍵遺跡(奈良県)の弥生中期初めのもの。上の山遺跡の建物はそれと同時か、少し遅れて建てられたらしい。床面積は池上曽根遺跡の「神殿」 (紀元前1世紀中頃)の約3分の1だが、形や構造はよく似ていた。 同センターは「集落が統合されて『クニ』が生れる過程で、集落の中心のシンボル的な建物も大型化していった。池上曽根遺跡との比較で、その変化がうかがえる貴重な発見」としている。 |
上の山遺跡とその周辺地図 | |
上の山遺跡4区前景(西から) | |
独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物跡(北から撮影) | |
独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物跡(南から撮影) | |
独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物は、特殊な建物として、「祭殿」「集会所」などであった? | |
土器溜まり(7区)出土 弥生土器類 | |
独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物(4区)出土 側柱・隅柱 柱穴出土 (左)石包丁の破片 (右)はサヌカイトの破片 |
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独立棟持柱をもつ大型掘立柱建物(4区)出土 独立棟持柱(北) 柱穴出土 (中央)弥生土器壺・くし書き紋 (右)弥生土器・甕 |
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上の山遺跡の東には、交野連山が横たわっている |