牽牛星(ひこぼし)と織女星(おりひめ)が年に一度、天の川で出会う、七タ伝説。その発祥の地とも言われる、天野川流域の枚方市・交野市一帯の「交野ケ原」には、それにまつわる地名も数多く残されています。 「伊勢物語」にも、交野ケ原に狩りに訪れた在原業平の歌「狩り暮らし棚機津女(たなばたつめ)に宿借らむ、天の河原に我は来にけり」と歌われている、天野川、交野ケ原−。 そんなロマンあふれる伝承文化を盛り立てようという動きを追ってみました。 |
「乞巧歌会」 願いササも
|
|
一方、別の視点からこの「交野ケ原」に注目する人たちも―。 長野県在住の彗星捜索家・木内鶴彦さんは、6年前、交野市で行われた京阪奈学研都市のオ−プニングセレモーで講演。その下調べとして、交野の古地図と星座の地図を照らし合わせた結果―。 「交野ケ原には、南米のナスカの地上絵をはるかに超えた壮大な”星空”描かれていた」と推測。現在では、土地の造成などで失われたものも多くあるとのことですが、天の星座を地上に移した場所には神社などが建てられ「何か特別な意味を持たせていたのでは」と話します。 木内さんらの説では、楠葉の交野天神社を北極点にした、機物神社、天野川の位置関係は、西暦535年の星空だとか。 「現代の数学や天文学の最先端の知識を使わなければできないことをやってのける、知的な人たちが、かつて交野ケ原に住んでいたのでは・・・」と、今後も調査を続けていくそうです。 同じく調査にあたった枚方市出身の廣瀬隆憲さんは、「ふるさとの天野川が、このようにロマンのある川であることを再発見したことで、今まで意識していなかった郷土愛のようなものが生まれ、誇りに思えるようになりました」と話します。 |