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 第177回 交野歴史健康ウォーク

2018.9.11(火) 22名(会員16名)参加
私市水辺プラザ~交野市星の里浄水場

 案内人  高尾 秀司氏

 9月11日(火)午前9時、京阪私市駅に元気な22名(会員16名)の皆さんが集合された。
 今年の夏は異常気象の所為でしょうか、6月18日の大阪北部地震、7月4日から降り続いた西日本豪雨、7月28日の逆走台風12号、9月4日の台風21号、6日の平成30年北海道胆振地震と矢継ぎ早に大災害が発生し、各地に甚大な損害を齎しました。

 当日は降り続いた雨もすっかり上がり気持ちよいウォーク日和となりました。私市の水辺プラザでは、2ヶ所の天野川砂防堰堤・尺治川床固工(国登録有形文化財)と加賀田用水取入れ口などを案内頂き、私市小学校に隣接した、交野市水道局の星の里浄水場を見学しました。

 星の里浄水場の管理棟1階会議室にて場長の山口氏より全体の説明があり、概要について、高尾さんに纏めて頂きました。

 従来の私市の水道局内にある私市浄水場が40年以上経ち、老朽化に伴い、新しい浄水場の建設が必要となり、平成22年から24年にかけ私市9丁目6番1号に建設される。
 新しい浄水場は従来の薬品処理を廃し、生物の自然な力を利用する。(生物処理法)

        

 従来の処理法では塩素の使用量が多かったが新しい処理法ではこの塩素の使用量が非常に減り普通に飲んではほとんど匂いがしないそうです。新しい処理場では市の取り扱いではすべて地下水を使用、そして浄化には小さな微生物を使用、薬品の使用は殆ど無いそうです。
 一日の処理能力は現在の人口では殆ど賄えるそうですが、非常時にそなえ村野浄水場から3割利用、将来的には2割位にするそうです。そして交野の水道は地下水を使用し、新しい浄水法により非常においしいそうです。

 当日参加者全員に500ミリℓのボトルを頂き飲みながら場長の説明を聞かせてもらいました。
 その後近代化された場内施設(管理棟、濾過施設、水質検査施設等)を見学、皆様大変興味深そうに見ており、好評の内に終了いたしました。
 当日説明してくださったスタッフの皆様に心より感謝いたします。

 案内役の高尾さんが事前に見学の予約など準備万端にコースを組んでいただきましたので、参加の皆さんに大変喜んで頂きました。心より感謝申し上げます。
 
 また、ホームページの記載に当たり、講師の高尾さんより詳しいレジメを頂きましたこと重ねて御礼申し上げます。
 写真撮影は、会員の川田弘和様にお願いしました。記して感謝申し上げます。

星の里浄水場前にて記念撮影
9月11日、水辺プラザ・星の里浄水場ウォークMAP

 水辺プラザ~星の里浄水場」 レジメ
高尾 秀司氏
 
 
 

 私市駅にて集合

挨拶される高尾秀司氏
私市水辺プラザ
 天の川七夕祭りの会場
7月29日夜多くの市民参加のもと恒例の天野川・水辺プラザにおいて各地区及び各種団体の参加により盛大に行われました。昔からの伝統にのっとり蝋燭の幻想的な灯(あかり)だけによる、ここでしか見られない七夕まつりがおこなわれました。なお当日の来場者19千人を数えました。
 写真はメイン会場の蝋燭により点火された、夜の風景です。
 

左は尺治川、右は天野川
 
 
 
  尺治川床固工(国登録有形文化財)
 尺治川床固工(国登録有形文化財) 時代 明治時代  所在地 交野市私市7・9丁目
 指定年月日 平成15年1月31日
尺治川に設置された堰堤で天の川に合流する地点に造られていますが、現在は尺治川の付け替え工事が行われた為、その役目を終えています。堰堤本体及び両岸には、段差を設けた丁寧な切石積み構造が看られ、川床部は四角く均等な大きさに切り出された石が敷き詰められております。
        「交野市の指定文化財」による」
 

こちらは新しく造られた尺治川
天野川砂防堰堤(国登録有形文化財) 
 天野川砂防堰堤(国登録有形文化財)  時代   明治32年(1899)
構造等  石造 堤長9,3m 堤高2,2m 面積247,5m
指定年月日  平成15年1月31日
天野川砂防堰堤は明治32年(1899)に造られた大府府内で一番古い砂防施設で、現在もその機能を果たしています。平成15年1月31日 指定文化財に指定される。      「交野市の指定文化財」より
 
 「注」ヨハネス、デ、レーケについて
明治18年の淀川大洪水の大改修工事についてオランダからヨハネス、デ、レーケが招かれ、総指揮をとる。この時、交野でも氏を招いて天の川で砂防堰堤が築かれました。現在3か所でのうち、二か所で稼働しております。一か所は尺治川で、天野川の水辺プラザでは一箇所稼働中、もう一か所はその役目を終え保存中であります。
   (現在3か所共、国の登録文化財に指定されております。)

 =天野川(畑山)砂防堰堤=  (平田政信さんのよもやま話より)
明治32年(1899)築造されている。
大阪府下では、明治11年(1878)から明治20年(1887)まで、淀川左岸支流の天野川、
穂谷川の水源地にて、直轄砂防事業として山腹工が施工されていた。
この砂防事業を大阪府が引き継ぎ山腹工を主体とした工事を行ったようであるが
工事記録は明治32年(1899)以降しか存在せず、流域では系統的な砂防事業が
展開されていた可能性がある。

 

明治中期、全国に先駆け近代砂防の範となった淀川水系砂防事業の一翼を担った本堰堤の技術レベルは、当時の技術水準をよく示すものであると言える。本堰堤上流右岸側には大正13年(1924)地域の灌漑用水として「加賀田用水」の取水口が設けられた。その際に流路を操作した形跡が見受けられ、天野川の主流部は堰堤上流で一度右岸に衝突し、用水の取水に対して十分な水位を提供したのち、刎ね返った水が堰堤左岸側を主流として流れている。
本堰堤は砂防堰堤として防災機能を果たしかつ灌漑用水の取水にも寄与しており、地域に根ざした近代化遺産として貴重な構造物と言える。
=編集後記=
 平成15年1月30日国登録有形文化財指定を受けたもの。   =了=


加賀田用水路
 
加賀田用水の取水口 
私市・森を流れる加賀田用水
加賀田用水の歴史と現在の堰と水路の状況
 加賀田用水 : 江戸時代中頃(1700年代)、私市の池堂から森の加賀田に用水を引き、草川を通して私部の官田まで水を流したのが始まりで、明治16年頃、天野川の井堰が完成。
 その後、大正12年10月の大雨で諸川が氾濫し加賀田用水堰が崩壊したため、美田50町あまりが荒野になり村民は悲嘆に暮れた。私市の田圃の持ち主であった西村忠逸氏(1872~1941)が深くこのことを悲しみ、同志たちと水利組合を組織して復興にあたることにした。同年12月に起工し、昭和10年5月に完成した。上流の堰を復旧しただけでなく、下流に一つ堰を設けて、新たな水路をつくった。かが田の「かが」は利益・利得の意味で、収穫の多い田と言う意味であろう。

 加賀田用水路への取り口は、市大植物園に渡る日の出橋の上流300mの場所にあり、落差10mはあろうか、天の川を石組みで堰き止め左手に造られている。加賀田用水は、私市から森、私部へと広く田圃の灌漑用水として今も利用され続けている。天の川の水を上手く取入た先人たちの汗の結晶である。
 ※ 私市の水利組合としては次の5つの組合がある。
      1.加賀田水利組合 2.上代水利組合 3.開水利組合 
      4.潰れ池水利組合 5.持久水利組合
 
石堰の下の溜まり場、ここは戦前の子供達の格好の水遊び場であった この石堰の下が戦前の子供たちの水遊びの場であったそうだ。平田さんたちが子供の頃、学校から帰ると急いで集まり水遊びをしたと言われる、私市の天の川石堰。水の綺麗な川を覗き込むと、元気な子供たちの喚声が聞こえてきそうであった。よき時代の思い出の場所である。
 この附近は私市橋から日の出橋の南にかけて天野川の護岸工事がすすめられ、石垣が綺麗に組まれ整備された。



交野市の国の登録文化財
天野川石堰堤
市内を流れる天野川は、交野が原に伝わる七夕伝説の伝承地として、古くより知られています。しかしこの川、しばしば洪水被害が発生していたようであり、砂防事業は不可欠でした。
淀川水系砂防事業は、明治中期に全国に先駆け行われ、本堰堤は、当時の技術レベルをうかがい知ることのできる貴重な近代化遺産です。明治32年(1899)年築造。
傾斜勾配は、約17度を測ります
しゃくじがわさぼうえんてい 尺治川砂防堰堤
尺治川は、府民の森より流れ出、天野川に合流する川で、上流には月輪の滝(別名 金剛の滝)があります。
砂防堰堤は、ちょうど天野川に注ぎ込む地点にあり、現在は流れのないため石組みがよく見られます。
しゃくじがわゆかかためこう 尺治川床固工
尺治川の河道内に設置されていますが、うっそうとした竹林の中にあり、通常は望見することができません。
国の登録文化財制度
 平成8年に、築造後50年以上を経過した建造物の中で、歴史的景観に寄与するもの、再現が容易でないものを対象とし、多種多様の建造物を目録に登録するとともに、それを公表することによって保護の促進を図るため設けられた。
私市小学校
交野市 星の里浄水場
 昭和45年より稼働していた私市浄水場が建設後約40年を経て老朽化した為、より自然に近い濾過法として注目されている生物接触濾過法を取り入れ建設されました。   平成24年9月竣工
一日最大処理水量 22500立方メートル
処理方法   「生物接触+急速濾過」方式
  9月11日(火)会員16名ゲスト6名 総勢22名にて見学
 まず管理棟1階 会議室にて場長の山口氏より全体の説明がありました。

概要
 従来の私市の水道局内にある私市浄水場が40年以上経ち、老朽化に伴い、新しい浄水場の建設が必要となり、平成22年から24年にかけ私市9丁目6番1号に建設される。
 新しい浄水場は従来の薬品処理を廃し、生物の自然な力を利用する。(生物処理法)
 従来の処理法では塩素の使用量が多かったが新しい処理法ではこの塩素の使用量が非常に減り普通に飲んではほとんど匂いがしないそうです。新しい処理場では市の取り扱いではすべて地下水を使用、そして浄化には小さな微生物を使用、薬品の使用は殆ど無いそうです。
 一日の処理能力は現在の人口では殆ど賄えるそうですが、非常時にそなえ村野浄水場から3割利用、将来的には2割位にするそうです。そして交野の水道は地下水を使用し、新しい浄水法により非常においしいそうです。
 当日参加者全員に500ミリℓのボトルを頂き飲みながら場長の説明を聞かせてもらいました。
 その後近代化された場内施設(管理棟、濾過施設、水質検査施設等)を見学、皆様大変興味深そうに見ており、好評の内に終了いたしました。

 当日説明してくださったスタッフの皆様に心より感謝いたします。

 ご参加の皆様、大変お疲れさまでした!
また、次回のウォーク、よろしくお願いいたします。


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