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晩秋の貴船〜鞍馬を歩く

 11/26(日)、探索隊5人組は、京都北山の晩秋の紅葉を楽しみながら、和泉式部や宇治の橋姫も詣でたという貴船神社から、牛若丸伝説の残る鞍馬を歩き、鞍馬温泉・峰麓湯で身体の疲れを癒し、フルセットのウォーキングを心行くまで堪能した

 叡山電車が貴船駅に近づくに従い、パノラマの窓から見える、山々の紅葉が素晴らしく観光客の歓声が大きく上がる。朝日に輝き、一段と色鮮やかな黄色や赤の紅葉におもわず身を乗り出す。
 貴船駅から、貴船川のせせらぎを聞きながら、周りの木々の紅葉を楽しむ。ゆっくりと歩いて30分、貴船本宮に着く。水占いは、中吉、ほっとする。この所の株価の下落に歯止めが掛かるか。今日の散策の無事を祈る。
 鞍馬山愛山費、200円を支払い、いよいよ鞍馬山を目指して登る。上りの階段道は、かなりキツイ。それでも胸突き8丁、奥の院魔王殿まで殆ど一気に登る。周辺の岩は、2億6千万年前海底より隆起した石灰岩だという。大杉権現を過ぎる頃より、あちこちに根を張る、木の根道に悩まされる。
 霊宝殿あたりから眺める風景は、全山一面紅葉が素晴らしく、そのまま「風景画」にして持って帰りたいと思う。本殿金堂の階段を下り、九十九折(つづらおり)の道を、ゆっくりと下ると由岐神社。
 由岐神社で毎年10月22日に行われる、豪壮な「鞍馬の火祭り」の写真を見る。薄暗い割拝殿の周りの紅葉も見事で、仁王門へと続く参道の雰囲気がいい。
 少し遅い昼食を「くらま温泉」の休憩所で済ませて、神経痛・リュウマチに効く天然硫黄泉の露天風呂に身を沈め一日の疲れを癒した。晩秋の一日、真っ盛りの紅葉を楽しむハイキング客で、どこも混雑していましたが、大満足のウォーキングでした。

 ※叡山電車出町柳駅を9時ごろ出発されると、時間的に余裕を持ってハイキングが出来ると思います。

歴史ウォーキングコース  (約3時間、8km、15,000歩

叡山電鉄出町柳駅(27分)→貴船口駅…(2km‐30分)……貴船神社本宮・・・
(0.5km‐8分)…結社…(0.4km‐7分)…奥宮…く戻る0.9km‐14分>…
鞍馬寺西門・・・(0.5km‐20分)・…奥の院魔王殿・・・(0.5km‐10分)…・
木の根道0.3km‐6分)…霊宝殿…(0.2km‐3分)…本殿金堂・・・
(つづら折れ坂道0.6km‐15分)・・・由岐神社・・・(0.3km‐6分)…
仁大門…(0.6km‐8分)・・・匠斎庵・・・(0.2km‐3分)…鞍馬温泉
入浴…く戻る0.8km‐15分>…鞍馬駅(30分)叡山電鉄出町柳駅→京阪出町柳駅

晩秋の貴船〜鞍馬を歩く写真集

 晩秋の貴船〜鞍馬を歩くMAP

観光ガイド

{貴船}   貴船川床のお店の紹介

貴船川・・・全長3km。鴨川、淀川の源流の一つ。

蛍岩・・・貴船口駅上流100m。平安時代の宮廷女流歌人和泉式部が「もの思へば沢の蛍

もわが身よりあくがれいづる魂(たま)かとぞ見る」と詠んだ蛍の名所。

烏帽子岩・・・観光バス駐車場のすぐ下流。参詣の折、冷水を浴び身を清めた所。昔、大宮

人が烏帽子を下ろして休んだ所と言われる。

二の鳥居・・・本宮南入り口に位置。平成元(‘89)年、皇太子ご成婚記念で再建された。

杉の木の赤身と呼ばれる個所のみを使用している。

貴船神社本宮・・・ご祭神は高おかみの神。水を司る神であり、縁結びの神でもある。平安期の明神

大社、戦前は官幣中社。全国に500の分社を持つ。祈雨には黒馬、止雨には白馬

を献じる(3月9日に雨乞い祭り)。拝殿の三十六歌仙の額は狩野探幽画尊澄親王の書。

本殿は天喜3(1055)年、奥宮から当地へ移築されたが創建年は不明。流れ造桧皮葺。現建物は大正11年建築。△本宮ご神木は樹齢1000年、高さ約30m。

石庭は天津磐境(あまついわさか)と言われ昭和40年、昭和の名作庭家、故重森三玲氏が作る。△舟形石は貴船石(水成岩)ですべて石組みし庭全体を船の形にしている。中央の椿がマストである。

相生の大杉、樹齢1000年、同根の木が絡む

**ご神水**社殿前石垣から湯出の貴船山の水。弱アルカリ性。(客器は500円)水占(みずうら)くじ*境内の霊泉に浸すと文字が浮かび上がる。1枚200円。

結社:中宮とも言う。磐長姫命(いわながひめみこと)を祭る。縁結びの神。平安期和泉式部も参詣。

相生の大杉・・・結社と奥宮の中間にある。樹齢1000年。同根の木が絡む。・

つつみガ岩:一貴船石特有の紫の岩。古代火山堆積の模様を表す。重さ43t、高さ4.5m

思ひ川・・・奥宮参道入口の橋「思ひ川橋」の下の流れを言う。「御物忌川」(おものいがわ)から転化。昔はこの川で禊をしてから参詣した。

奥宮・・・ご祭神は闇(くら)おかみの神。水を司る神。流れ造、柿葺き。古社中の古社と言われ第18代反正天皇(1,600年前)期の創建と伝える。天武6(678)年、社殿を塗替えた記録が残っている。永承元(1046)年の出水で流された。本殿下に竜穴があるがご神体で見ることは不可。△船形石は拝殿横に在る。神武天皇の母玉依姫(たまよりひめ)が乗って来た黄船を石を積んで囲んだと言う。

△連理の杉は神門を入った左手、末社日吉社の横にあるある杉と楓が合体したご神木である。
△桂の大木は京都市指定天然記念物。高さ39m、幹周り5.5m。樹齢300年。


{鞍馬}

鞍馬寺・・・標高569mの鞍馬山の中腹に建つ。
 宝亀(ほうき)元(770)年、鑑真和上(がんじんわじょう)の弟子鑑禎が草庵を結び、毘沙門天を安置したのが始まり。延歴15(796)年、造東寺長官の藤原伊勢人が干手観音を拝して「鞍馬寺」と号したと伝えられる。京都の北方守護の任に当り多くの僧兵を抱え、朝野の信仰が厚く栄えたが再度の火災で荒廃、大正時代から再興が計られ、昭和22年鞍馬弘教を立教開宗した。現全堂、多宝塔等堂宇の大半は昭和32年以降の再建である。

鞍馬山

国宝毘沙門天立像・・・昆沙門天(高さ175.5cm)。多聞天とも言う。平安時代後期の作。橡の木像。小手をかざして彼方を俯瞰する姿は鞍馬寺独特のもの。

◎ 吉祥天立像………毘沙門天の妃。材質は桧。大治2(127)年製作。

善武師(ぜんにし)童子立像…毘沙門天の5人の太子の一人。ぜんにし橡の木の一木造。毘沙門天立像と同時期の作。

重文・兜跋(とばつ)毘沙門天立像・・・鎮将夜叉昆沙門天とも言う。尼藍婆(にらんば)・昆藍婆(びらんば)の二つの鬼を従えた女神の両手の上に立つ。平安時代後期の作。木像。

重文・聖観音(しょうかんのん)菩薩立像・・・鎌倉時代、嘉禄2(1226)年定慶の作。木像。

毘沙門天立像…3体。鎌倉時代の木像。鉾を取り腰を押す「鞍馬様式の毘沙門天」。

●牛若丸が鞍馬に入ったことは鎌倉幕府の正史「吾妻鏡」に「継父一条大蔵卿長成の扶持により出家のため鞍馬に登山す」とあるから事実と見てよい。

鞍馬寺奥の院魔王殿…650万年前、金星から舞降りた魔王尊(サナト・クマラ)を祭る。周辺の露出した岩は2億6千万年前海底から降起した石灰岩であり盤座(いわくら)である。

◎ 大杉権現社・・・拝殿奥に魔王尊影向(ようこう)の杉として信仰された樹齢1000年の大杉があったが、昭和25年の台風で折れ、今は2代目が育っている。

源義経公背比石・・・奥州へ下る牛若丸が名残を借しみ背を比べたと言う130cm程の石。

冬柏亭(とうはくてい)・・・昭和5年、東京荻窪に建てた与謝野晶子の書斎。先代管長の信楽香雲が晶子の直弟子だったことからここへ移された。

義経公息継ぎの水・・・冬柏亭の横から山道を入った所に岩の間から涌き出る清水で、牛若丸が剣の修行に奥の院へ通う途中喉を潤したと伝え今も飲める。この辺りが今日のコースの最高点である。後は下るのみ。

霊宝殿一鞍馬寺の寺宝や、義経の刀、鞍馬山の動植物標本、晶子の遺品を展示。一番の見物は国宝毘沙門天立像

本殿金堂・・・鞍馬山尊天三尊(千手観音・毘沙門天・護法魔王)を祭るが60年に1度の開扉。地下の宝殿で大杉権現の神木で刻んだ三尊像を拝観出来る。信者の納めた髪壷が不気味。

転法輪堂(てんぼうりんどう)・・・金堂の一段下に建つ。丈六の阿弥陀如来坐像を安置。堂内の転法輪を廻しながら「南無阿弥陀仏」を唱えると6万回唱えたのと同じご利益があると言う。

瑞風庭(ずいふうてい)・・・金堂横の盛砂の庭。650万年前、人類救済の為、護法魔王尊が金星から降臨する所を形象化したもの。

閼伽井護法善(あかいごほうぜん)神社一本殿横。毎年6月20日の「鞍馬竹伐会たけきりえ」」の由来となった大蛇を祭る。

義経公供養塔・・・牛若丸が6〜16歳まで住んで修行した東光坊の跡。

由岐(ゆき)神社・・・祭神は大巳貴(おおなむち)と少彦名(すくなひこ)と言う古代の先住神。靫(ゆき)(矢を入れて背負うもの)を祭り世の平安を祈った。天慶(てんぎょう)年間(938〜947)に創建、豊臣秀頼が慶長15(1610)年再建した鞍馬寺の鎮守社。舞台造で左右対象、社殿の真中を参道が通る珍しい割拝殿(わりはいでん)(重文)は桃山時代の建築。左に子もち、右に毬を持った変った狛犬は宋時代の石彫りで重文である。10月22目の「鞍馬の火祭り」は有名。

涙滝・・・小川にかかる滝で「源氏物語」に出て来る。

***鞍馬寺からここまでの道が「枕草子」に害かれた「近くて遠きもの」の一つと、言われた九十九折り(つづらおり)の道」である。

匠斎庵(しょうさいあん)・・・鞍馬街道に面した鞍馬集落の中に建つ宝暦10(1760)年建築の滝沢家住宅。虫篭(むしご)窓の典型的な鞍馬の民家。通し土間や辷り戸(すべりと)天井、卯建(うだつ)、鎧戸(よろいど)が見られる。貴重な遺構で重文である。

くらま温泉・・・天然硫黄泉。神経痛・リウマチに効く。露天風呂あり。

<近辺案内>

梶取橋・・・鞍馬川と貴船川の合流点に架かる。‘95年12月架替え。長さ13m‐幅11m。貴船神社の末社梶取社が橋の渡り口に鎮座。謡曲「鉄輪(かんなわ)」にゆかり。(丑刻(うしのとき)参り)

鈴鹿谷・・・貴船本宮から北参道を下る。鈴鹿社という末社あり。

雨乞いの滝・・・昔、雨乞い神事を行った三段の滝。禁足地。

鏡岩・・・貴船山の中腹にある古代の祭祀場。磐座があるが禁足地。貴船神社の神が丑年・丑月・丑刻に天から舞い降りた。

 
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