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 第15回 交野歴史健康ウォーク

2001.4.28 寺共同墓地から京の山の仏たちを訪ねる  

(とき)平成13年4月28日(土)はれ
(コース)交野ドーム⇒寺共同墓地⇒京の山⇒不動明王の碑⇒
とんど場地蔵JR高架下から竜王山を⇒向井田農道⇒交野ドーム


寺共同墓地から京の山の仏たちを訪ねるMAP


寺共同墓地の
お迎え地蔵

寺共同墓地の蓮華石
説明される平田会長
野辺送りのとき使用された
寺共同墓地のお地蔵様 
いろんな顔立ちがいい
京の山
神宮寺から寺村にむかって
創価学園の校門を通り
過ぎた東側にある
京の山古墳
石仏と祠
不動明王の碑
カーンマーンの梵字
薬研彫りで鎌倉時代
寺の辻の「とんど場地蔵」
災害からお守り下さる
ありがたい地蔵様
寺の辻から
JR学研都市線の
高架下に向かうウォーク隊
タンポポの軸
叩き合って強さを競う遊び
向井田の農道には沢山の
タンポポが咲いていた


 4/28(土)天候晴れ、参加者6名。9時過ぎ交野ドームを出発した。北川沿いを東へ寺村に向けて進み、JR学研都市線高架下をくぐり交野養護学校と交野松下福祉工場の間を抜けると、左手に緑一面のブドウ畑に出る。初夏にはブドウ狩りで、甘酸っぱいブドウの味が楽しめる。
 大和へ抜ける郡南街道を少し行くと左に倉治墓地、右に寺共同墓地がある。今日の行程の寺墓地に入ると整然とした墓の前に,先ず沢山の地蔵さまが目に飛び込んできた。何時の頃の物かは判別できないが、高さ20〜30cmの地蔵様があちこちに置かれている。昔の人々が、病から逃れ健康を念じて一心に彫られた素朴な地蔵様たち。先祖を敬い作り続けられたお地蔵様たち。
   寺共同墓地の地蔵様たちの写真はこちらをクリック!寺共同墓地の見送り場

 死者を葬るしかたのことを「葬法」というが、最近は信仰に対する考え方や他界観が変わってきた。
 今日では、かつての習俗はなくなりつつある。火葬場へ直行するようになり、野辺送りも見られなくなったが寺の共同墓地では往時が偲ばれる。

 交野市史・民族編には「葬送の習俗」が詳しく述べられている。交野では、戦前までは土葬が多かったが、最近は他の都市地域同様、火葬が一般的になってきた。昔は、死者の出た家に対して、親類縁者と近隣の家々とが協力して、夜伽(よとぎ)や野辺送りなどを滞りなく済ませることが、社会的な交際として当然のこととされてきた。

 葬列(そうれん)は本来野辺送りを中心としたもので、決まった道筋(そうれん道)を通って遺体を葬地へ送った。葬列が村墓へ着くと、導師は迎え仏の手前で席に着く。そして、迎え仏と席の間を往き来する。輿が墓地に着いたら、「蓮華石」の周囲を左に3回廻っておろした。「町たて」といって・割竹に紙を螺旋状に巻きつけ、上部に椿の葉をつきさし、その上に蝋燭を立てる。この「町たて」を町角・墓地の迎え仏の前に立てたという。
 こんな風習が偲ばれる、共同墓地だった。綺麗な「蓮華石」に、立派な「お見送り場」が残されていた。

 京の山の「不動の碑」
 創価学園の入口の南に「京の山」という尾根がある。東西に延びた山で、その頂を南方から見ると、二つの突起部がある。この東側にある突起の裾の薮の中に、不動明王の梵字(カーンマーン)を彫った花崗岩製の碑がある。仏像の種子で表すことは平安以降に見られるが、石に刻む彫法は「平安時代には文字の彫られた面が平面となり、鎌倉時代にはV字形になる薬研彫りで、時代が降るにつれて文字の底面が丸くなる」。京の山の碑はみごとな薬研彫りで鎌倉期のものである。保存が望まれる。
    (交野古文化同好会・石鏃bP14号を参照させて頂きました)

 寺から私部に出る辻に、北向きに立っているのが「とんど場地蔵」である。
昔、どの村でも、村の出入り口で1月14日に「大とんど」をした。お正月さまがお帰りになると言って、とんどの火でお飾りを焼いたもので、この石仏のある付近はこのとんどの場所であったので、「とんど地蔵」と名付けられた。他の村から悪霊が侵入してこないように守って下さる(道祖神)である。
JR学研都市線の高架橋を額縁に、竜王山を撮る
 この辻を北に進むと、JR学研都市線のガード下にでる。来た道を振返り、高架橋を額縁に一枚の素晴らしい風景が撮れた。青々とした竜王山が光り輝く一幅の絵画に仕上がった。⇒
 平田さんお気に入りの場所である。

 向井田の農道は、一面黄色のタンポポで埋め尽くされていた。早速、タンポポを取って、振り合って強さを競う遊びに夢中。子どもの頃が蘇るひと時であった。

 前回の交野山の梵字の仏たちに続いて、今回は京の山の不動明王の碑を紹介して頂いた。
 野辺の石仏の美しさを皆さんも是非ご鑑賞下さい。きっとご満足されるでしょう。

 平田さんの軽妙な説明に感動し、交野の古い歴史を肌で感じた、楽しい歴史ウォークでした。
 次回が楽しみである。一人でも多くの市民の方々にこの喜びを味わっていただきたいと思います。
 是非とも、皆さん誘い合って参加しましょう!!!


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