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藤原京を歩く
壮大な都城跡・天の香久山を散策

藤原京など詳しくは★橿原市の公式HPをご参照ください

歴史ウォーキング行程

近鉄・橿原神宮駅(9:30)→久米寺→橿原神宮→
橿原考古学研究所付属博物館→本薬師寺跡(昼食・休憩)→
藤原京朱雀大路跡→天岩戸神社→天香久山頂上・
天の香久山神社(国常立神社)→飛鳥藤原宮跡発掘調査部資料室→
藤原京大極殿跡→近鉄・耳成駅(16:00)

藤原京を歩くMAP

藤原京を歩く
壮大な都城跡・天の香久山を散策
巡り写真集

藤原京の関係年表・概説

藤原京と飛鳥の位置関係図


 8月10日(木)、大和三山、畝傍山・耳成山・天香久山に囲まれた藤原京跡に立った。強い夏の日差しを受けた三山は、古より変わらずそれぞれ緑濃く静かに鎮座していた。先月「飛鳥」を巡り、是非とも藤原京跡に立って、万葉集に歌われた志貴皇子(しきのみこ)=天智天皇の子、の次の歌の意味を味わってみたいと思い、早速、藤原京を歩いてきました。念願が適い大変嬉しい。
 今は、一段高くなった松林に大宮土壇(大極殿跡)があり、南北に朱雀大路の跡地にバラスが敷かれているだけで、周りは田圃だけのこの広大な地に藤原京があったという。
 1300年前の古代の都を想い浮かべながら、じっくりと歩いて来た。
炎天下の中、23,000歩の万葉人を訪ねる、満ち足りた苦行の一日でした。
 大極殿跡近くでは、今も発掘作業は休みなく、続けられていた。近々、発掘調査の現地説明会が開かれる予定とか。

  《2000.9.10 追記》
橿原市の藤原宮(694〜710年)跡で、宮殿の中心的な建物のひとつ、朝堂院の基壇構造などが確認され、奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部が9月7日、発表した。

  詳しくは、奈良新聞HPへあくせす下さい

  藤原宮の朝堂院は方眼状の柱で床を支える「総柱(そう  ばしら)建物」とされていたが、今回の調査で、平城宮などと同じ構造であることが分かった。「総柱」という特異性がなくなったことで、朝堂の変遷を平城宮や難波宮へと連続的にとらえることができ、研究者の注目を集めそうだ。

 ♪藤原宮の朝堂院(東西230メートル、南北318メートル)は、昭和初期に行われた日本古文化研究所の発掘調査で、12棟の建物が南北に並ぶことが分かっている。

 ♪今回確認されたのは東第一堂の北半分と朝堂院を囲む回廊の一部。
  東第一堂は太政大臣などが入る最も重要な建物で、庇(ひさし)を含めた大きさは南北35.4メートル、東西14.4メートル。南北各1ヵ所と東西各3ヵ所に階段とみられる張り出しがある。

 ♪土の基壇は、こぶしほどの石(栗石)を混ぜてつき固めてあり、礎石を安定させるため、人の頭ほどの石(根石)が柱穴に入っていた。

 ♪日本古文化研究所が根石と解釈したのは基壇中の栗石で、「総柱建物」とされた方眼状の柱はなかったことが判明。床には平城宮と同じように切り石を敷き詰めていた可能性が強まった。

 ♪国内の宮都で朝堂院が総柱とされていたのは藤原宮だけで、特殊性の解釈が議論の対象となっていた。
  基壇の外側には石を据えたとみられる溝があり、凝灰岩の破片が出土。
  回廊の基壇では玉石の抜き取り穴が見つかり、東第一堂の基壇を見栄えのいい凝灰岩で、回廊基壇は玉石で化粧した重厚な建物群であったことが分かった。瓦(かわら)は約580点出土した。

 ♪朝堂院は天皇の住居である内裏や大極殿と並ぶ宮殿の中心施設で、朝礼などの儀式や執務に使われた。平安宮では、太政大臣や大納言など、位によって使うべき建物(朝堂)が決められていた。


 明日香宮より藤原宮に遷居(うつ)りし後、志貴皇子の作りませる歌、

 釆女(うねめ)の袖吹きかへす明日香風 都を遠みいたづらに吹く

「昔、釆女の袖を吹きかえした明日香風は、今は、都が遠いので、虚しく吹いている――」
 約百年にわたって都のあった明日香から、都が遷ったことによる皇子の空虚な気持ちを表現しているという。藤原と明日香は、地理的にはほんに近いが、心的距離が遠いと。つまり、志貴皇子の気持ちは、旧都・明日香に向かっている。(季刊 明日香風より)



 神武天皇の宮跡と伝わり、広大な神域に荘厳な空気を漂わせる橿原神宮で知られる。この地には、約1300年前、古代史ファンの興味をつのらせている藤原宮が置かれていた。
 最新の発掘調査により、その規模は平城京や平安京よりも、巨大であったことが明らかになった。
 しかし、壮大な都がなぜ、わずか16年という短命で終わりを告げたのか、一方で謎が深まるばかりだ。今は何もない広大な芝生の原っぱに、巨大都市があったとは信じがたい。歩き疲れたら、市域を取り囲むようにそびえる大和三山(畝傍山、耳成山、天香久山)の緑を眺めて一息入れよう。
(歴史街道推進協議会公認ガイドブックより参照)


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