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2002.1.18(金)
 交野の里山冬鳥の観察

行程 : 河内磐船駅→住吉神社→かいがけの道→野外活動センター→
いきものふれあいセンター・白旗池→交野山麓→げんじの丘竹炭焼き場

交野市民講座、第7回学習会 講師 平研先生

いきものふれあいセンター・白旗池など案内図はこちら

 1月18日、午前9時半、河内磐船駅前を出発。寺村の土壁の蔵
 森南の住宅街を通り抜け、寺2丁目で南川を渡り右折、住吉神社に向かう。途中、先生より今時珍しい土壁の蔵の前で、土壁の作り方はツバメの巣作りに教わったものだ説明を受ける。成る程、ツバメは泥やわらなどを口で運んでは丹念に練り合わせて巣づくりをする。土だけでは乾くとぼろぼろになるが、わらをこね合わすことによって強度を増す。
 ※ツバメの巣づくり/
春、全国に渡来し、泥やわらをこねあわせて家の軒などに巣をつくるツバメ。日本で夏を過ごし、東南アジアで冬をこす。

 
 住吉神社の境内で、双眼鏡の見方を教わる。私の双眼鏡は、倍率8倍。先ず、右眼の接眼レンズの焦点を合わせて、両眼で中央にあるピントあわせで焦点を調節する。なるほど、こうすると手にとるように良く見える。先程まで見えにくかった鳥を捉えることができた。
 「かいがけの道」をゆっくりと落ち葉を踏みしめながら登る。冬山の落ち葉は、踏みしめるとぐうっと沈み心地良いが滑りやすい。足もとに注意しながら傍示の里へと登る。途中「柳谷伏拝」「愛宕山大権現」「石清水八幡宮」の伏拝の辻を過ぎ、かいがけ地蔵の広場で休憩。小鳥の声を聞こうとしたが、大パーティに恐れをなしたか残念ながら聞けなかった。ここには樹齢100年を越すヤマモモの大木がある。この地方には自生しないもので、誰かが植えたものらしい。
 ※「伏拝(ふしおがみ)」、それは生活の知恵である。本当はお寺にお参りして社殿にぬかづきお願いするのが当然ながらここからお許しください。ご利益もお参りし、ぬかづいたのと同じようにと伏し拝むその方向の中心が伏拝の碑である。

 冬の傍示の里は、静かでしっとりとしていたきとらの双体仏
 里から野外活動センターへと曲がる角地に、大きな赤樫の木がある。左に曲がり、棚田が続く田んぼの畦道を行くと、右手の畦の目の高さぐらいの所に周りが青く苔むした双体仏に出合った。「きとらの双体仏」という。この付近にはスマイル地蔵など古寺の跡がある。
 野外活動センターで一休みした後、旗振山への登山口をひだりに見ながら進むと郡南街道へでる。
左折して交野カントリーの前を通り過ぎ、ゆるやかに下るあたりで、里山ボランティアの作業現場があり、木の伐採など里山保全の大切さを教えていただく。

 モチノキの一種である、「ソヨゴ」という、樹木のしたで、自然界の摂理を習う。鳥が食べてくれるようにわざわざ赤い実を付け、鳥が赤い実の果肉は消化して種だけを他の場所へ運んでくれるようにと、赤い実と山鳥の関係など。人間が赤い実を採って、そのまま植えても芽が出ない。赤い果肉は鳥に食べてもらい、種だけになってはじめて目を出すという。南天、千両、万両なども同じだと。

 また、エビフライのようなものを見つけられ、これはリスが食ったあとのマツボックリだと言われる。初めて目にするもので、一同びっくり。
また、道路端で珍しい「フユイチゴ」など見つけた。

 白旗池の周りで、昼食。池には、沢山のカモが群れていた。
 午後は交野いきものふれあいセンターで、白旗池の沢山の野鳥を観察した。
その後、交野山の麓の剥き出しの地層の前で、太古の時代にどうして交野山が出来たのかなど話を聞き、里山ボランティアの方々が活動され、綺麗に整備されつつある西側の麓へと下り、都市近郊の森を育てる会が竹炭を焼いている「げんじの丘」の広場で解散した。

今回、里山を歩いて観察したソヨゴ、フユイチゴ、マツボックリ、竹炭
詳しい情報はこちらをクリックして下さい。

河内磐船駅前
里山が竹薮に侵食されて
いると説明された
かいがけの道を
落ち葉を踏みしめ
ゆっくりと傍示の里へ
傍示の里は静かで
しっとりとしていた
傍示の里の段々畑の
畦道を
ゆっくりと登る
いきものふれあいセンター
オシドリの習性など勉強する
都市近郊の森を育てる会が
竹炭を焼いている
「げんじの丘」の広場

 白旗池には、たくさんのオシドリやマガモなどが見られ、野鳥の観察を楽しんできました。
 1/12には、オシドリが80数羽確認されたようです。おしどりの雄
先週の金曜日の夕方、NHKTVのニュースで白旗池のオシドリが放映されてから、たくさんのお客さんが訪れているそうです。
 なかには、タクシーで山の上まで見に来られるそうです。
 大阪では近くで、オシドリが観察できるところが少ないようで人気上昇中といったところです。
3月末ごろまで楽しめるとのことでした。

白旗池では、オシドリは11月頃飛来して、4月始めには飛び去ってしまい居なくなる。

 2002.1.12 白旗池では次の野鳥が観察されている。
 オシドリ 84羽、カルガモ 36羽、マガモ 45羽、コガモ 7羽、キンクロハジロ 29羽、イカル 5羽。オシドリの雄と二羽の雌
 交野市広報1/25号にも、オシドリの写真が公開された。

 オシドリは、どんな鳥?

 オスは繁殖期には大きな銀杏羽(いちょうばね)をもち、とても美しいが、メスは非常に地味な灰褐色である。目の後ろに伸びた白い線が本種のメスの特徴である。繁殖を終えたオスもエクリプスと呼ばれる地味な羽色にかわるが、嘴(くちばし)が赤いことでメスと区別できる。アジア東部に分布し、日本では全国的に分布し、北海道、本州、九州で繁殖する。水辺の樹洞に巣をつくるが、巣箱もよく利用する。ふ化したヒナはすぐ巣穴から出て、親についていく。ドングリが好物。


いきものふれあいセンターの中から野鳥を観察
 銀杏羽(いちょうばね):第一三列風切と呼ばれる翼の羽の一枚が変形したもので、イチョウの葉のような形にそりあがっていることからそう呼ばれる。
エクリプス:カモ類のオスは繁殖期が終わると、全身換羽してメスと似た色の羽になることをいう。


 おしどり夫婦ともいうが、実はカモがつがいになるのは繁殖期だけ。生涯雌雄が寄り添うと考えられてきたが、DNA鑑定の結果、ほとんんどのカモの種がつがい相手以外と交尾することがわかった。オシドリもご多分に漏れず、仲むつまじいのは雌が卵を温め始めるまで。雌の抱卵中、オシドリの雄は雄だけの群れを作り、独身の雌が現れると、雄たちは積極的にアプローチするという。


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